はじめに
改訂3版 心電図検定公式問題集&ガイド: 受検者必携! 2級/3級
- 作者:日本不整脈心電学会 心電図検定委員会
- 発売日: 2018/04/05
- メディア: 単行本
今回は「洞不整脈」と「2度房室ブロック」について勉強したいと思います。
洞不整脈
・洞性P波の出現する間隔が変動するために起こる不整脈。
・よく見られるのは、呼吸による洞不整脈(呼吸性洞不整脈)。
・非呼吸性洞不整脈=自律神経の影響による。
・PP間隔が変動するが、PQ間隔、QRS波は正常。
・P波の形は一定で変化しない。
・若年者によくみられる生理的な反応で病的意義はない。
2度房室ブロック(Wenckebach型)
・正常洞調律においてQRS波が時折脱落する。
・PR間隔が徐々に延長して、QRS波が1拍だけ脱落する。
・脱落後はP波に追従してQRS波が出現する。
・脱落前後でPR間隔に変化がある。脱落後のほうが短い。
・頻回に脱落すると2:1房室ブロックと診断される。
・原因は房室結節内の伝導遅延。
・若年者によくみられる。
・MobitzⅡ型2度房室ブロック、高度房室ブロックとの鑑別を要する。
2度房室ブロック(MobitzⅡ型)
・正常洞調律においてQRS波が突然脱落する。
・PR間隔が延長することはない。
・脱落前後でPR間隔に変化はない。
・原因は房室接合部の伝導途絶による。
・器質的変化に起因することが多い。
・高齢者に多いが、若年者にもみられることがある。